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過去に作った”意味が分かると怖い話”を 淡々と保存していきます。 解説を読みたい場合は、[more]を クリックしてください。
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学生時代から仲の良かった4人組でドライブ旅行に出かけた帰り道、
事故を起こしてしまった。 
一人は胸を強く打って死んでしまった。 
残った者たちで葬式に参列した帰りに、喫茶店に寄った。 
ウエイターが水を4つ持って来た。 
普段から温厚な友人もさすがに怒った。 
 
ウエイターは、申し訳ありませんと、空席のと
俺の前の水と2つ下げた。

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私が小学生の時の話 。
ちょっとした奇妙な遊びが流行っていた。
その名も「儀式ごっこ」 
暗闇の中で机に火のついた蝋燭(ろうそく)と鈴を置く。
4人でその机を囲んで手をつないで輪になり、目を閉じて死んだ人の名前を
心の中で何度も呼び続ける。すると、霊がそれに答えて鈴をならすという。
ちょっとした降霊術だった。
 
私と友達の3人は、一ヶ月前に事故で死んだクラスメイトのTの名前を使って
「儀式ごっこ」をすることにした。 
夜の学校に集まり、Tが使用していた机に、火を灯した蝋燭と鈴を置き、
4人は手を取り合った。準備は整った。
「じゃー電気消すよ」 
真っ暗になった教室を蝋燭の火がわずかに照らす。
 
私は目を閉じてTの名を呼び続けた。
鈴の音はしなかったがだんだん怖くなってきた。
気のせいか、友達が先ほどより強く私の手を握ってきた。
みんな怖いのだろう…。
二重の暗闇が怖くて、目を開けたくて仕方なかった。
けれど、もし目の前にTの幽霊がいたら…。
結局儀式はわずか3分で終了した。
何かあってからでは遅いし…。
私たちとTはそんなに親しくなかったから、話すことも何もなかったし…。
 
後日、その日の事が担任の先生にばれて、こっぴどくしかられた。
「儀式ごっこ」は禁止となった。

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解説はこちら
長い夢を見ていた。
目が覚めると、そこには白い天井。白い壁。カーテン。規則的に鳴り響く機械音。
眩しい。視界が白く霞(かす)む。
 
「・・・!!目を覚ましたのね!」
『・・こ・・ごどごで・・ずか・・』
妙な感じに声が掠(かす)れる。自分の声じゃないみたいだ。
「・・落ち着いて聞いてね。ここは病院よ。あなたは交通事故に遭(あ)って
 意識不明だったの」
『おれ・・はどうな・・ています・・か』
「・・・。すぐ、先生を呼ぶから。待ってて」
『は・・い・・』
 
ここの看護師だろうか。声の調子からすると俺より年配だろう。
四十代半ばといったところか。どことなく見覚えがある。
きっと、眠っている間俺の世話をしてくれていたのだろう。
妻は?娘はどうなった?記憶が欠如している。
俺が覚えているのは、娘が小学校の卒業式で見せた笑顔。
妻が涙ぐんで微笑んでいた顔。
それから・・・
 
・・・。頭が回らない。考えるのは後だ。少し休もう。
俺は体が欲するままに、再び意識を手放した。
 
一時間ほど眠っただろうか。目を覚ますと、傍(かたわ)らに先ほどの年配女性。
その隣に見覚えのある少女が座っていた。
相変わらず視界が白くぼやけてよく見えないものの、俺にはすぐに分かった。
『ご・・め゛・・んな゛』
精一杯搾(しぼ)り出しても、しわがれた声しか出なかったが、
彼女はそれでも、俺の手をぎゅっと握りしめてくれた。
多感な時期に父親が意識不明だったのだ。辛い思いをさせたのだろう。
寂しげな表情をしている。背が伸びて、顔立ちも何だか変わったようだ。
俺は、また現実に戻ってこれたことを神様に感謝した。
 
そのとき、奥の入口から俺と同じようにしわがれた声が響いた。
「お帰りなさい、あなた!」
 
・・・ああ、神様・・・

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