俺は会社から長い休暇をもらい、イギリスへ旅行することにした。
ホテルで寝ていると、なにやら外が騒がしい。時間は深夜3時だ。
窓から顔を出してみると、何か事件があったらしく、
しかも犯人はホテルの2階にまだ隠れていると警察が叫んでいる。
自分がいるのは3階だ。
だが外を見る限り、2階以下のフロアはすでに警察が厳重に包囲しているようだ。
エレベーターも階段も使えそうにない。
俺は多少心配だったが、旅の疲れによる睡魔(すいま)に勝てず、
犯人が早く逮捕されることを祈りながらベッドに入った。
[2回]
解説は反転↓
(解説)
非常にシンプルな今回の話。イギリスとアメリカでは何階かのフロアーの数え方が
違うことを逆手にとって、「3階」と「2階」の錯誤を起こさせるというもの。
イギリスでは、1階をグランドフロアー、2階をファーストフロアー、3階をセカンド
フロアーと呼ぶ。つまり、犯人がいるのは3階。
ちなみに、本文では触れていないが、設定では主人公はアメリカ人。長期休暇という
のは、あまり日本人には馴染がないと思う。
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