夜中に突然、親友のAにたたき起こされた。
「おい、起きてくれ!俺を追っかけてくるヤツがいる。髪の長い女なんだけどさ。
何か言いながら俺に向かって来るんだよ!逃げても逃げてもヤツはいるんだ
悪いけど今日だけでいいからさ、ここに泊めてくれ、たのむ!」
相当怖かったみたいで、Aの顔は真っ青。
走ってきたみたいでハァハァ言ってる。
他にも色んなことを俺に言ってきたが、正直あまり覚えていない。
俺にとっては、今日通夜が終わったばかりのAがここにいるほうが怖かったから。
↓2ちゃんねる投稿時のヘッダー(初出「じわじわ来る怖い話part14」)
634 :sage:2008/05/06(火) 15:27:34 ID:hv5SKUUL0
終電車の中で眠ってしまい目を覚ますと、見知らぬ女性が俺の肩に頭を乗せて、
もたれかかるように眠っていた。
見ると黒髪ロングでかなりかわいい。貞子とかの不気味な黒髪じゃなく、綺麗な感じ。
正直言って悪い気はしなかったので、しばらくそのまま乗っていた。
俺の降りる駅はまだ先なのでこのままで大丈夫だろう。
二駅、三駅と過ぎ車両には俺と、俺にもたれて寝ている女性の二人だけになった。
彼女はどこで降りるんだろう、起こしてあげた方がいいかな……
そう思った俺が体を動かしかけると、
「動かないで……」
と、目を閉じ、頭を肩に乗せたまま彼女は言った。
さらに続けて、
「もう少しこのままでいたいな……」って。
初対面の人に言われて不気味だったけど、女の子にそんなこと言われて
理由を聞くほど俺は野暮じゃない。黙って肩を貸してやった。
でも、さすがに自分の降りる駅が近づくと心配になってきてさ、
とりあえず「どの駅で降りるの?」と聞いてみた。
すると「落ちる駅?」と返してくる。
「違うよ、落ちる駅じゃなくて降りる駅」
「降りる駅が落ちる駅だよ」
また意味不明な答え。
さらに彼女は「貴方の降りる駅が、私の落ちる駅」と続けた。
ひょっとして、自殺でもするんじゃないかと思ってさ。
この娘は俺の降りた駅で、飛び降り自殺をするんじゃないだろうか?
どうしても気になったので、彼女に「落ちちゃいけないよ」と言ってみた。
すると彼女は「貴方が降りたら私は落ちる」と脅迫めいたことを言ってくる。
仕方がないので「じゃあ降りないよ」と言ってあげた。
彼女は嬉しそうに、「ありがとう、約束だよ……やぶったら貴方も落ちてね?」と言う。
この言葉に俺はゾッとしたが、今は彼女を落ち着かせることが優先だ。
自殺を食い止めたい一心で、俺は「わかった、約束するよ」と言った。
そのとき、電車が揺れた。
そして彼女の方を見た俺は、彼女の不可解な言動のすべてを理解した。
しかしもう遅い。
俺が降りたら彼女は落ちる、そして俺もまた落ちるのだから。
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