銭湯に行った。
あがる前にサウナで一汗かくのが俺の日課だ。
俺が入って１分くらいで、男が１人入って来た。
勝負だ。コイツが出るまで俺は出ない。
こうして見知らぬ男と我慢比べするのも日課だ。
１０分経過。相手の男は軽く１００キロはありそうなデブだった。
１５分経過。滝のような汗を流してるくせに、頑張るじゃないか、デブめ。
１８分経過。ついにデブが動いた。今にも倒れそうな程フラフラになりながら
サウナを出ていく。
俺の勝ちだ！！俺はサウナルームの真ん中でガッツポーズをとった。
目を覚ますと俺は見慣れない部屋にいた。
どこかで見たようなオッサンが覗きこんでくる。
番台にいたオッサンだ。オッサンは言った。
「私が点検に行ったら君が倒れてたんだよ。
ドアにもたれかかるようにして失神していた」
どうやら熱中症を起こしたらしい。
勝負に熱中し頑張り過ぎたか。オッサンはやれやれとばかりに
「君を運ぶのはまったく骨が折れたよ。今度からは気を付けてくれよ」
俺はオッサンにお礼を言って帰った。
ビールでも飲んで寝るとしよう。
(解説)
上下で別の人格が語っているというミスリード。銭湯でサウナに入るのが日課の男と
１００キロはありそうな男が語っている。この話はそこに気づいて終わりではなく、
サウナが日課の男が、太った男に偶然閉じ込められて、サウナから出られなくなった
というジョーク話であるというところに気づくかどうかがポイント。
ネット上ではたかだか作り話にマジレスが飛び交ってて、本当に大丈夫かと
思ってしまう。気になる方はyahoo知恵袋などを参照。
↓２ちゃんねる投稿時のヘッダー(初出「じわじわ来る怖い話part16」)
454 ：sage：2008/07/19(土) 18:58:46 ID:22K4YoNZO(携帯)
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