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過去に作った”意味が分かると怖い話”を 淡々と保存していきます。 解説を読みたい場合は、[more]を クリックしてください。
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先日、幼い娘二人に
「もしパパが、この世からいなくなったらどうする?」
と、ちょっと意地悪な質問をしてみました。
すると娘二人は、口々に
「エーッ、ダメだよー」
 
 
「パパ、まだ死んじゃヤダーッ」
などと言いながら、泣きそうな顔で私に抱きついてきました。
やっぱり子供というのは可愛いものです。
妻はそれを見て、ニッコリ笑っていました。
 
日常のこんな些細なやりとりに、私は幸せを感じます。
ちっぽけな人生の中で見つけた、大きな輝き。
私にとって、家族は宝物です。

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男は3ヶ月前、息子を轢(ひ)き逃げで亡くしていた。
妻に先立たれ、男手一つで育ててきた息子だけが生き甲斐だった男。
彼は犯人を殺したいほど憎んでいた。
犯人は捕まったが、これでは容易に復讐(ふくしゅう)も出来なくなってしまった。
或(あ)る日…男は古本屋で【悪魔召喚】と書かれた一冊の本を手に入れた。
こんなモノを信じてはいなかったが、何も出来ない自分が許せなかった、
男は“悪魔”を呼び出してみる事にした。
 
見事、悪魔は現われた。
 
悪魔「…お前の望みはなんだ?」
男  「息子を殺した奴に復讐がしたい!殺してやりたい!」
悪魔「…前払いで“お前の死”を報酬としていただくが良いか?」
 
息子を失った男は、自分の命など惜しくはなかった。
 
男  「ああ…それで構わない…」
悪魔「…ならば契約成立だ」
 
数日後、轢き逃げ犯が謎の死を遂げたと聞いた男は、
悪魔との契約の事を思い出した。
(前払いで“私の死”ではなかったのか?だが私は生きている…。
 奴は悪魔に殺されたわけではないのか?あの悪魔は嘘を吐いたのか?)
 
そんな疑問を抱え数日が過ぎた頃、再び男の前に悪魔は現れた。
悪魔「…契約は果たした…さらばだ…」
男  「待ってくれ!あんたは“私の死”を報酬にしたはずだ!
   …なのに、なぜ私は生きている!?」
悪魔「…たしかに報酬は“お前の死”だ、勿論(もちろん)きちんといただいた」
 
悪魔は笑いながら、最後の言葉を残して消えた。

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生き別れの双子の兄がいる事は知っていた。当時、生活が苦しくて、
生まれたばかりの兄を里子に出したらしい。
 
推薦で大学が決まった10月に、その兄に街でばったり会ったんだ。
まったく同じ顔だから、間違えようがない。
兄も俺の存在を前から知っていたようで、
「今日は就活中で忙しいんだ、次の日曜日に会おう」と
喫茶店の名を告げて足早に去っていった。
 
日曜日。
兄が指定した喫茶店に入った。古く小さな店内は5人ほど座れるカウンターと
4人がけのテーブルが2つ。
兄は手前のテーブルに座っていた。奥のテーブルには40代後半の男女一組。
 
「俺なんか大学行くし、車買ってもらったし、先週はスキューバに行ったんだよ。
 就活してるって言うけど就職先はまだ見つかってないんだろ?
 兄ちゃん、家に戻っておいでよ」
「……」
「絶対そうすべきだよ」
「お前には妹が居るんだよ……」
 
兄は泣いていた。

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