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過去に作った”意味が分かると怖い話”を 淡々と保存していきます。 解説を読みたい場合は、[more]を クリックしてください。
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俺さあ、最近死んだんだよね。色々あって自殺。
でも気ままなゴーストライフも悪くないよ。第一働かなくて済むし。
暇だから、俺は幽霊としていろんなところに出没してるんだけど、
最近の流行りは写真だね!!
 
とある心霊スポットで、先輩幽霊とお茶を酌(く)み交わしていたんだけど、
大学生グループがやってきて写真撮りまくってたから、
映ってる奴の背後から手とか顔とか出してやった。
もうそいつらマジでビビってやんの。マジモンの心霊写真撮れてよかったなwww
それから色んな人がカメラを持ってやってきたんで、
さり気なくいろんなところから顔やら手やらのぞかせてやった。
もう最高。ビビった奴らは霊能者に鑑定とか求めるし、
心霊関係の本やサイトにも俺が載ってるの。もうちょっとした有名人じゃんwww
 
そんなある日。
幽霊の出るっていう崖の上で、誰か写真撮りに来ないかなって待ち構えてたんだけど、
そのすぐ傍(そば)で幼児が遊んでるの。
超危ねえよ。落ちたらどうすんだよ。
そうこうしている間に、幼児は崖を乗り越え、海に真っ逆さまに落ちていく。
俺は焦ったね。必死で全身全霊を使って幼児を下から支えた。
そして出来うる限りのポルターガイスト現象を起こして、幼児を持ち上げた。
でも支えきれない。幽霊って力弱いんだよなあ。
 
その時だった。
「お前一人でカッコつけてんじゃねえよ。」って声。
振り向くと、俺がまわった各心霊スポットで出会った先輩たちが
駆けつけてきてくれていた。
「俺が死んだ時も、このくらいの息子がいてさあ……。」
「俺達は死んでしまったが、この子にはまだ未来がある。絶対助けるぞ!!」
といって先輩たちはみんなで幼児を下から支えた。
 
 
結局、幼児は崖の上に戻った。母親が慌てて駆けつける。
ふう、良かったな。幽霊でも人助けをすると清々しいぜ。
いま気づいたんだが、さっきから遠くでずっとこのやりとりを撮影していた男がいた。
じゃあ幼児を全力で救い出した俺達の勇姿も映っているってことか?
超ラッキー!! 心霊系週刊紙の一面にこの事件の記事は写真と共に大きく載るな。
「幽霊が幼児を救う!!」とな。
 
 
一週間後。
確かに俺達の記事は写真付きで堂々と載っていた。
崖から落ちかける幼児と、幼児に向かって下から数多くの青白い手が伸びてきている
写真。
そして書かれていた記事は――俺の期待と正反対のものだった。

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友「本当にごめんな」
俺「おいやめろって!」
友「妹が…妹が病気で…金がいるんだ…」
俺「大丈夫か?気をしっかりもてよ」
友「…ありがとう………」
俺「2…いや、10万でよかったら貸してやるよ」
友「本当にありがとう…あと、その…なんていうか…」
俺「ほら、晩飯の残りで良かったら食ってけよ」
友「ありがとう…」
俺「…なに言ってんだよ。それに、俺たち親友だろ?」
友「実は自殺しようと思ってて…お前がいなかったらもう…」
俺「そんなに気にすんなよ」
友「こんな夜中にごめんな」
 

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ある春先の出来事。
仕事を終え帰宅すると、妻が玄関先で出迎えてくれて
一言こういった。
「お帰りなさい。私ね、子供ができたの!」
「本当か!?」
私は喜びのあまり、思わず妻の細い体を抱きしめた。
私たち夫婦は、長年子供を授かることが出来ずに悩んでいたのだ。
感激のあまり私は頬を涙で濡らした。
それを見た妻の目からも一筋の涙が流れた。
「さっそくお祝いをしなくちゃな」
「もう用意してあるわ」
 
上着を脱ぎながらリビングに向かうと、食卓には食べきれないほどの
ご馳走が並べられている。
私は最高の気分でご馳走に舌鼓(したつづみ)を打つ。
普段は小食で、あまりご飯を食べない妻も、今日は忙しそうに
ご馳走を口に運んでいる。
「君がそんなに食べるなんて珍しいね」
「だって今日からは二人分のご飯を食べなくっちゃいけないもの」
そう言って笑う妻の顔がどこか寂しげに見えたのは私の思い過ごしだろうか?
 
妻のお腹は日に日に大きくなっていった。

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