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過去に作った”意味が分かると怖い話”を 淡々と保存していきます。 解説を読みたい場合は、[more]を クリックしてください。
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自宅で彼女といる時、疲れていたのでつい寝てしまった。 
気がつくと、部屋は真っ暗。
どうやら日が落ちるまで寝てたようだ。 
 
隣を見ると、彼女が居ないことに気付いた。
同時に、バリバリくちゃくちゃと物を喰う音が聞こえて来た。 
暗くてよく分からないが、彼女は椅子に座って何か食べているようだ。
俺:  「おい、なんで電気つけない?」 
彼女:「……ウチも今起きたん。お腹空いた~」 
俺:  「しかしまぁ、今日は悪かったよ。急に寝ちゃって」 
彼女:「ううん!別に気にしてないよ。ねぇ…
     ウチのこと好き?放さない?」
俺:  「あたりまえだよ。お前以外はありえんわぁ」 
 
その時…
枕元の携帯が鳴った。こんな時にシラケるだろうが、何だぁ? 
【題名】RE 
【本文】起きた?いま夕食買いにコンビニに行ってんだけど、何が食べたい?(>_<) 
「誰からのメール?誰から?ダレカラァ?ネエ」 
 

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街の占い師として細々と暮らしていた頃の私は、非常に貧しかった。
占い師としての私の才能を認めてくれた人や、ファンも何人かいたけれど、それでも
貧乏暮らしだった。
食べていくことにも困り、○×金融から金を借りた。その借金は見る見るうちに膨れ
上がり、私は○×金融の社員達から、ヤクザまがいの取り立てを受けるようになった。
彼らは「○×の社員は占いみたいなくだらない物は信じない主義なんだ」と言って
私を鼻で笑い、ことあるごとに「そんなもの辞めちまえよ。カラダで稼げるオシゴト
でも紹介してやろうか」と言った。
いつ風俗店に身売りされるかもわからない、地獄の日々を送っていた。
そんな時だった。私の占い師としての才能が発揮されたのは。
ある日この街の未来を占っていたら、翌週に連続通り魔殺人事件が起こる、という
結果が出た。急いでTV局や新聞社に電話を掛け、連続通り魔殺人を防いでくれる
よう懇願した。
しかし、マスコミはみな、私の言葉を鼻で笑った。
占いの結果など、一々相手にしてはいられないのだろう。
私は非常に焦り、やきもきしていた。
しかし、予言されたときになって何となくテレビを見ていたら、本当に連続通り魔
殺人事件が起こっていた。新聞やテレビでは大ニュースになっていた。
そして、私を嘲笑っていたマスコミは一斉に私の元へ押し掛け、まるで掌を返した
ように「奇跡の占い師」として、私を持ち上げた。
それ以来、少しだけ生活は楽になった。まだまだ○×金融からの厳しい取り立ては
続くけれど、少なくとも食べていく分には困らなくなった。
私はその後、次々に占いを当てた。
東京タワーの爆破を予知したところ、後日本当に東京タワーに爆弾が仕掛けられて
いたことがわかった。爆破が未遂に終わったことで、私は感謝された。
大型客船の沈没を予言したら、本当に船が沈んでしまった。私の占いを気にした
船長が救命ボートを余分に積んでいたので死者は出なかったが、そうでなければ大
惨事になっていただろう。
私は有頂天になっていた。そんな時、私立探偵をしている友人から電話が入った。
「なあ、これは言い辛いことなんだが……実はお前には予知能力なんて無いんだよ。
 ちょっと出来すぎていると思って個人的に調べてみたんだが、酷いことがわかった」
私は慌てた。
「何を言ってるの。通り魔から船の沈没まで、全部当ててきたじゃない」
友人は電話口でしばらく躊躇(ためら)うように黙っていたが、やがてこう切り出した。
「実は、昔からのお前のファンだった女がいただろ? そいつが全部仕組んでた
 らしいっていう情報をつかんだんだよ。これは確かな筋から聞いた情報だ。
 東京タワーに爆弾を仕掛けたり、船に細工したり。今のところ、警察は勘づいて
 いないらしいがな」
私は茫然として、言葉も出なかった。そのまま電話を切った。
翌日。
私は報道記者を呼び、こう告げた。

「新たな占いの結果が出ました。○×金融が放火され、社長や社員は全員焼死するで
 しょう」

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解説はこちら
おれはとある殺人課の警部なんだが、聞いてくれよ。今回の事件はまったく奇妙奇天
烈なんだぜ。
とある豪邸が、仕掛けられていた爆弾によって突如(とつじょ)爆発した。
そして四散した瓦礫(がれき)の中から、粉々になって焼け焦げた男の死体が発見された。
この事件でわけがわからないのは、自称「犯人」が五人も自首してきたってことなん
だよ。しかも全員が自分の単独犯だと言い張るものだから、いっそうわけがわからな
い。
A「俺がやりました。あいつはソファで寝る癖があるから、前もって家に仕掛けて
  おいた時限爆弾で吹っ飛ばしてやったんです」
B「犯人なら俺だよ。あいつはいつもソファで寝る癖があるんだ。その日俺が近づ
  いた時は、気分が悪いのか、ソファで白いマフラーを首に巻いた格好で、なぜか
  びしょ濡れの状態で、ガクンと首をうなだれて俯(うつむ)いてるから、血まみれ
  になるまで腹を滅多刺(めったざ)しにしてやったよ」
C「あいつを殺したのは俺。いつものように、白いシャツをだらしなく着た状態で、
  ソファでふんぞり返ってびしょ濡れで寝ていたんだ。背後から近づいて、前もって
  用意していた白いマフラーで絞め殺したんだ」
D「あいつには結構以前から恨みがあってさあ。遠くのビルから狙撃してやったよ。
  白いマフラーに赤いシャツを着て、ソファでうな垂れながら寝てるのが、スコープ
  から辛うじて見えたから、銃弾を頭に撃ち込んでやったのさ」
E「あいつは白いシャツ姿でふんぞり返って寝てたから、丸出しになっていた首筋に
  スタンガンを当てて感電死させてやった。あいつ、風呂上がりなのか全身びしょ
  濡れだったから電流が良く通ったみたいだ。即死だったぜ。あれだけの高圧電流
  を流してもピクリともしなかったんだからな」
俺は部下の刑事を呼び出した。
「犯人は誰だと思う? 誰が毒――いや、殺したんだろうな」
危ない危ない、つい「毒殺」というところだったぜ。そう、実は犯人は俺なんだ。
遅行性の毒物を、奴が常用するカプセルにすり替えておいたからな。うっかり口を滑
らせるところだった。
でも鈍い部下は、俺のそんな失言にも気付かずにのんびりと答えた。
「そうですよね。誰が被害者を溺死(できし)させたんですかね~」

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