いつも通り学校に行くと、私の机に花が置いてあった。
わけがわからず、友達に聞いても様子がおかしい。聞こえないみたいに。
誰にも聞こえてない。誰とも目が合わない。
どうやら私は誰にも見えない存在になったようだ。
正直それならそれでいいと思った。
ただ、何でこんな状況に置かれたのか、私には理解できない。
ずっと・・ずっと考えていたけど、きっかけだって思い出せないし、思いつかない。
あぁ、そうか・・私はもうみんなとは違うんだな。
いまの私のような存在は、ここにいてはいけないんだろうな。
私は自分の席を立ち、窓から外へ飛び出した。
空を飛ぶって気持ちいいなと思った。
薄れる意識の中、学校中のみんなが私を見ているのに気づいた。
少し 嬉しか っ た
『むかし友達だった奴の話なんだけどさ・・・』
下ネタ話にも飽きて、友達が暇つぶしに語りはじめた。
Aは学生寮に住んでいたのだが、田舎なので全住人が5人しかいなかったらしい。
酔った勢いで、夜中にAを含め5人全員でかくれんぼをすることになった。
彼が鬼で、順調に見つけていった。
学生寮全体と言っても、いい大人が隠れられるところなんてそうそうない。
しかし、考えつく限り、隠れられるところは全部探したが、どうしても一人見つからない。
もういい時間だったので、Aの負けでギブアップして、皆で残りの1人を探すことにした。
仲間の一人が笑いながら
「お前頭カタいよ。むかし友達だった奴の話なんだけどさ、
どうせココだろとか、俺は全部探したぞとか思ってんだろ?
自分の常識で決めつけないで、一つ一つ確認してみ?」
ここまで言われれば流石(さすが)に意地になる。
Aはうるせぇなと言いながらもまた探しはじめた。
いた。やっと見つけた。
ソイツだったモノは、洗濯機の中に折り畳まれて無理矢理詰め込まれていた。
不意に後ろから声が
「な?言っただろ?」
「・・・怖ぇよ!バカおまえ!」
『ははは。暇つぶしにはなったろ?ビビった?ビビったろ?ぶははは!』
「うっせぇ!くだらねぇ話作ってんじゃねぇ!帰れ!つか、死ね!」
『ははは。お前も頭カタいよ。ぶはは!作り話じゃねぇって。まぁいいや、
もういい時間だしな、じゃあな』
「有りえねえよバ~カ。聞いた話っつったじゃんお前」
『あ?"むかし友達だった奴の話"だよ。な?言っただろ?そんじゃあな』
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